鉄馬と僕と父さんPart4
この愛しの鉄馬は、僕の操作次第では速くも遅くもなる。当然のことながバランスさえ悪くすると転げ落ちる事だってある。
慎重に走り抜けていた。しかし、信号待ちの時、気を緩めたわけでわなくグローブをはめなおしていたその時、スローモーションのようにゆっくり右の方に倒れていった。いわゆる立ちゴケである。この時ばかりは何故か恥ずかしくなり、慌てて鉄馬を起こそうが中々あがらない。
300キロある巨体を細身の僕が簡単には起こせない。頭の中が走馬灯のようにグルグルと回し教習所で習った起こし方を思い出した。全身を使ってゆっくりと起こした。なんとか難を逃れその場を逃げるかのように走り出した。ミラー越しに見える僕の顔は真っ赤になっていた。
気を取り直し、気を引き締めて内緒にしていた父にこの鉄馬を見せるため実家へと向かった。
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