hisomaのブログ

ハーレー乗りの親子ブログ

鉄馬と僕と父さんPart6

僕たち家族は決して裕福な家庭ではなかったと思う。両親は若くして結婚し翌年には双子の息子が産まれた。その子が僕だ。 両親は互いに地方から就職の為、誰の支えなくやらなくてはならない。今、思えば大変だっただろうと思う。特に母親は知らない土地で双子を育てないといけないのだから。本当か事実かはわからないけど父は多趣味な方でよく遊んでいたらしい。

休みになると朝早くから海へ出かけサーフィンをしていたのは記憶がある。それでなのか、子供全員もがサーフィンを楽しんでいる。父の背中をみて育ったからかもしれない。

今の子供たちは、オモチャを沢山持っている。

羨ましく思う。僕たち兄弟はオモチャを多少はあったものの比べれば比較にならないほど少ない。だからこそ、年に1回あるか無いかのオモチャを買ってくれる時は人が思うほど以上に嬉しかった。だからこそ記憶にも残る。父とは小さい頃によく風呂に一緒に入っていた。

毎回、思っていた事は父の背中は広くデカく感じていた。きっと他の人が見たらそうでも無いかも知れないが、僕には凄く大きく広い背中だったのだ。それは年老いた父をみても今でも同じだ。だからその背中を追って生きてきたのだろう。話しが色々と飛んでしまって申し訳ないが、ここで言いたいのは父とは厳しく時には優しく大きいという事。でも、そんな父と今では同じ趣味を楽しめる存在である。

鉄馬と僕と父さんPart5

鉄馬から伝わってくる鼓動を感じながら、父さんのびっくりする顔を思い浮かべ走らせた。

そうこうしていると、目的地の実家へついてしまった。鉄馬は大きく、そこから出される鼓動の音も大きいい。父さんも鉄馬乗りだからすぐにわかる。降りる準備していたら「ガチャ」と玄関の扉が開いた。すると父さんは驚きと嬉しそうな笑みを浮かべ「遂に手に入れたかぁ」といいながら寄って来た。僕の鉄馬をぐるりと周り一言「カッコイイじゃないか」と嬉しそうに言ってきた。僕は照れながら返事をした。

父さんから、こう言った言葉は過去に聞いたことない。突然だか、ここで父さんの事を少し話したいと思う。父さんは九州男児だ。僕が子供の頃は厳しい父であった。それは今も変わらないが、とにかく怖かった!悪ガキだった兄と僕は毎日のように怒られていた。でも嫌いだとは全く思わなかった。優しい一面を知っているからだ。怒られ過ぎて優しさが目立ったためだろう。そんな厳格な父だから褒められた記憶が無い。だからこそ少しの褒め言葉でも嬉しい。僕にとって父は偉大だ。何故かは次回に話そうと思う。

鉄馬と僕と父さんPart4

この愛しの鉄馬は、僕の操作次第では速くも遅くもなる。当然のことながバランスさえ悪くすると転げ落ちる事だってある。

慎重に走り抜けていた。しかし、信号待ちの時、気を緩めたわけでわなくグローブをはめなおしていたその時、スローモーションのようにゆっくり右の方に倒れていった。いわゆる立ちゴケである。この時ばかりは何故か恥ずかしくなり、慌てて鉄馬を起こそうが中々あがらない。

300キロある巨体を細身の僕が簡単には起こせない。頭の中が走馬灯のようにグルグルと回し教習所で習った起こし方を思い出した。全身を使ってゆっくりと起こした。なんとか難を逃れその場を逃げるかのように走り出した。ミラー越しに見える僕の顔は真っ赤になっていた。

気を取り直し、気を引き締めて内緒にしていた父にこの鉄馬を見せるため実家へと向かった。